2008年4月23日水曜日

フッ素洗口は医療行為?

フッ素洗口は 医療行為?

条件にぴったり!

学校などで行われているフッ素洗口は「医療行為」かどうか。
このことが推進グループと反対グループの争点になっています。
「医療行為」であるとすれば、歯科医師法・薬剤師法・薬事法などの法律が適用され、きびしい遵守事項を守らないと、違法行為になってしまいます。
○ 保健所等でのフッ素塗布は 
⇒ 「医療行為」とされており医師・歯科医師でなければ処置できません。
○ スーパーや薬局で販売されているフッ素入り歯はみがき剤は 
⇒ 家庭で使用するのは「医療行為」ではありません。
○ では学校等での集団フッ素洗口は 
⇒ 「医療行為」? それとも「医療行為」でない? さて、医療行為とは一般的に次のように定義できるでしょう。
1.人体に危害を及ぼし、またはそのおそれ(侵襲性)があるために
2.患者の同意のもとで
3.医師・歯科医師が治療(予防)を目的として
4.適切な技術水準のもとで行う行為この条件に照らし合わせてみると、集団フッ素洗口は。
○ 侵襲性のあるフッ化ナトリウムという化学物質を使っている。
○ 洗口するかどうか希望の有無を確認している。
○ 公衆衛生的立場から予防を目的としている。
○ フッ素洗口を実施するには専門的知識、技術が必要である。 
みごとに「医療行為」に合致するではありませんか!これらの観点から、現在行われている集団フッ素洗口は「医師・歯科医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は及ぼす恐れのある行為」であり、これらの行為の継続は、まさしく医業にほかなりません。
医療行為を継続すること、すなわち医業は医師・歯科医師及びその指示を受けた人(看護婦等)以外にやることは禁止されています。(医師法・歯科医師法=医師・歯科医師でなければ医業をしてはならない。)そのように論を組み立てると、次のようなさまざまな違法・脱法行為を指摘することができます。
さまざまな違法・脱法行為
試薬を使用
「ふっ化ナトリウム試薬1級・特級」は、研究などに使用される試薬です。「特級」はJIS規格による薬品でフッ素純度99%、劇物に指定されています。
純度97%の1級はJIS規格からはずれています。
健康を問題にする人々が、人体に使うことを想定していない試薬を使うことが許されるでしょうか。 
県行政は「試薬は、医薬品であるフッ素洗口剤ミラノールと成分がほとんど同じであり、問題はない」と私たちに回答していますが、薬物には厳格な取り扱いが求められるはずです。
院内処方でない
人体に使うとは考えられていない薬物(または類似品)を使うことが許されているのは医師・歯科医師としての責任と有資格のもとでのみ可能です。しかしそれも、医師・歯科医師の管理のもとにある院内処方、すなわち病院なり診療所の中での処方が前提です。学校や保育所等で行われているフッ素洗口は、医師・歯科医師の管理・監督のもとにはありません。
無診察治療
病気の治療や医薬品の投与には、医師・歯科医師による診察が義務づけられています。子どもたちの歯(そして全身の健康)を診察しないでフッ素を投与することは、無診察治療として医師法・歯科医師法違反の疑いがあります。 
なお、学校における歯の定期健診は診察には当たりません。
処方箋なし
薬を投与するには処方箋が義務づけられています。不特定多数に処方箋なしでフッ素を投与することも医師法・歯科医師法違反です。
薬剤師以外の調剤
フッ素洗口剤の調剤(秤量、溶解、調合、分包、希釈、分注など)は、医師・歯科医師の指示を受けた薬剤師以外はやってはならず、もし薬剤師以外の人がやっていたら薬剤師法違反となります。 
1985年の内閣答弁書では「学校の養護教諭がフッ化ナトリウムを含有する医薬品をその使用法に従い、溶解、希釈する行為は薬事法及び薬剤師法に抵触するものではない」としています。
この回答は、あくまでも「医薬品」を溶解・希釈する場合であって、医薬品ではないふっ化ナトリウム試薬の溶解・希釈を養護教諭が行ってよいとは言っていません。 
そもそもふっ化ナトリウム試薬に医薬品としての使用法はありません。
それができるのは医師・歯科医師の診察にもとづいた処方箋による場合だけです。注)内閣答弁書では、養護教諭が医薬品を調剤する行為は違法ではないとしていますが、薬剤  師法に照らして問題があり、違法の疑いがあります。
一方的説明
病気等の治療・予防行為の前提に患者への説明と同意(インフォームド・コンセント)が必要です。フッ素洗口の説明会は推進側の行政と講師による一方的な効用説明に終始しており、これに反対する考えの人が呼ばれることはありません。
また保護者の疑問には、納得できる説明がなされません。
時間を理由に切り捨てられることが多いのが実態です。 
また保護者からの同意書(申込書)が小学校入学時だけで、あとは卒業までとらないという学校等があるのもおかしなやり方です。さまざま学説や情報等が年々積み重なり、保護者の認識も深まります。
少なくとも毎年保護者の意向を確かめるべきです。
誇大宣伝
推進学者らのグループによるフッ素効果の宣伝には目に余るものがあります。
フッ素洗口を導入している学校と導入していない学校のむし歯を比較し、その差を「フッ素効果」としているのです。
実際は、フッ素洗口を導入している学校は、フッ素洗口のほかにも歯みがき指導、甘味制限指導などを熱心におこなっており、その効果までフッ素洗口効果の中に入れてしまうのです。 
またフッ素洗口を導入していないけれども、歯みがき指導、給食指導などでむし歯予防に大きな効果を上げている学校も無視されつづけています。
県教委は「医療行為」であることを否定
(指示書はどういう意味?)
(最近、推進グループは同意書というのが医療行為に対する同意というイメージがあるので申込書、確認書とするよう指導しています。)
フッ素洗口は医療的な側面として、 
○ フッ化ナトリウムという劇薬を使っている(例)和光純薬 和名「ふっ化ナトリウム」
和光1級 試薬用。JIS規格ではない。
純度97%以上。
劇薬試薬特級 試薬用。JIS指定商品。
純度99%以上。
劇薬。
指定医薬品 
どちらも化学物質の定量等の試薬として使用するもので、人体に使用することは想定されていません。 なお、医薬品として認可されているフッ素洗口剤に「ミラノール」があります。
もしフッ素洗口をやるなら、この「ミラノール」を使うのが常識です。
○ 歯科医師は薬剤師、校長に対してフッ素の処方や洗口方法を記した「指示書」を出している。「指示書」の法的根拠と性格をめぐって、県当局・県教委と私たちの間で意見がかみ合わないでいます。 
県当局 学校保健法にもとづいて、歯科医師の指導事項 
慎重派  
歯科医師法にもとづいて、歯科医師の職務としての処方箋
○ フッ化ナトリウムの秤量・溶解・希釈の過程で実際に薬剤師が関与
○ 実施にあたって、推進する側の専門的立場の人が保護者に説明し、保護者の同意を得ている。
(インフォームド・コンセント的行為)
*ただし県当局・県教委は「フッ素洗口液に侵襲性はない」と回答しています。
*ただし県当局・県教委は「指示書」の性格について「学校保健法にもとづく歯科医師の指導事項」と回答し、私たちの「歯科医師法にもとづく歯科医師お職務としての処方箋」という主張と相容れないでいます。)

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